※これはフィクションです。
ここは、観光業を財源とする、ある南の島。
税金の使い道について、役人たちは思案していた。
「建物や巨大オブジェを建設するのはどうでしょう?」
「去年作ったシステムをもう一度作り直すというのは?」
住民の誰も必要としない案だった。
民間企業が自社の利益を優先するような企画ばかりだった。
それでも追いつかない場合は、適当にバラマキの施策をした。
この税金は、一年で消化しなければいけないお金だった。
たくさんの資料をペラペラめくりながらの会議。
そんな中、予てから行っていた民間からの企画公募の応募案の中の一つに目が行った。
「これだ・・・」
書かれていたのは、年に一度の島全体の大掃除だった。
確かにその島は、たくさんの観光客が訪れるため、たくさんのゴミが町や海や山に散らかっていた。
綺麗な海を期待して訪れた観光客も落胆するほどだった。
それを年に一回、大掃除するという案だった。
そして、その時に島が積極的に採用するのは、障害を持つ人たち。
障害を持った人たちの給料が低くなるのがやむを得ない状況だった中、
この施策は、そんな人たちにとっての年に一回のボーナスとなった。
結果、余った税金はキレイに消化でき、障害者をキレイに支援でき、島もキレイになった。
今、その島はリゾート観光客数、リピーター数、世界一の島となっている。
※これはフィクションです。
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