※これはフィクションです。
その島にあるものといえば、ゴミとモズク。
何もない。毒ヘビもいない。
そこは無人島。
村はこの島をどう利用していいものか頭を悩ませていた。
新しく駐在することになった肥満気味の商工会の男。
悩みを聞くなり、一言。
「よしっ、こりゃ好都合だ。」
自身体重に悩んでいたからこその発想。
彼が考えた企画。
名付けて「ダイエッ島」
企画内容はこうだ。
まず、ダイエット企画参加者の宿泊施設は、村の使われていない体育館。
娯楽はなにもない。食べ物さえ用意されていない。
そこでの食料を得る唯一の方法。
無人島に渡り「ゴミを拾うこと」
拾ったゴミの重量に応じて、島のモズクと水に交換してもらえる。
やらなきゃ自動的に断食。
そしてモズク(そんなに量食えない)と水だけでは痩せるのが畢竟。
ゴミ拾いと高栄養価低カロリーのモズク食で、
あっという間に、参加者と島の、余分なものがなくなっていった。
参加者は県外だけでなく、県内からも殺到した。
ちょうどその頃、県では県民の肥満率を改善する政策を行っているところだった。
村が表彰されたのは言うまでもない。
※これはフィクションです。
豊嶋浩平
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