※これはフィクションです。
あるところに、本が大好きな本屋さんがいました。
お店にはたくさんの本を置いてありましたが、
さいきん近所にできた、都会の巨大本屋さんにはかないませんでした。
本屋さんは悩みました。
「どうしよう。これといったウリもないしな〜・・」
手を返え品を変え。
店を飾ったり、本を紹介したりしましたが、サッパリです。
それらはみんな、すでに巨大本屋さんもやっていることなのでした。
本屋さんは諦めかけていました。
「俺の取り柄なんて、とにかく本が好きなだけ。読書が好きなだけの・・・・」
キュピ〜ん!!!!
次の日の朝、本屋さんはお店にランプを置きました。
また次の日は、お店にお気に入りのソファーを置きました。
また次の日は、いい香りのするコーヒーを置きました。
また次の日は、静かな音楽のレコードを置きました。
本屋さんは、自分が気持ち良く読書するためのお気に入りグッズを、
お店に1個づつ置き始めたのでした。
1ヶ月と経たないうちに、お店の中には素敵な読書リビングが出来上がりました。
そして、その全ての物たちには値札が付いていました。
それからというもの、お店はいつもお客さんでいっぱいです。
街の本好きが、みんな集まったのです。
「本が好きで好きで」しょうがなかった本屋さんは、
とうとう「読書好きから愛される」本屋さんになったのです。
本以外のグッズもたくさん売れてお店が繁盛した本屋さんは、
大好きな本と、たくさんの本好き達に囲まれて、
末長く幸せに暮らしましたとさ。
トッピンパラリノプ〜。
豊嶋航平
※これはフィクションです。