逆転!ファミレスにいたホール担当の男〜不器用さと真心と〜


ダイエット中です。
豊嶋です。
 
特にこれといって食べたいものはなく、
夕食はファミリーレストランに行った。
 
メニューを決め、ピンポンを押す。
テーブルにウェイターが近づいてくる。
 
いい歳した男性。身なりはきちんとしている。
歳幅からすれば店長でもおかしくない。
 
(ヌッ)
 
男 「・・・・・・・・」
 
豊(って、無言かい!)
 
「いらっしゃいませ」の一言もないことに、
(失礼な奴だな〜)とあっけに取られながらもオーダーを告げる。
 
男は始終無言を貫く。
口を開いたと思えば、、、
 
男「クーポンは、数字を出してください」
男「何番でしたっけ」
 
そしてメニュー確認はゆっくりモタモタ。
 
正直イライラした。
俺の声も少々荒がりつつあった。
 
注文を済ませ、男が去って行った後知人曰く。
知「あれ見た?手が震えてた」
 
そうなのだ。
確かに手が震えていたのだ。
よくよく思い出してみれば、あの言動、あの行動。
普通じゃないのだ。おそらく障害のある方。
 
人手不足の深刻さを憂いつつ、出てきた料理をつまんだ。
 
食事の途中、ふとカトラリーがないのに気づく。
呼び出しベルを押す。さっきの男がやってきた。
気まずい空気をかもし出しつつ、食器の補充を頼む。
男がフォークやナイフのセットをおく。
 
その時、男が俺のそばで、聞き取りにくい言葉で何か言った。

男「今後改善しますので」
 
男の声は震えていた。
しかし、少しだけ微笑んでいた。
なぜだか、その笑顔には達成感があった。
 
嫌味な感じではなく、心からの笑顔だった。
彼は声を振り絞って言っていた。
だから声が震えて、聞き取りにくかった。
その声の震えは、勇気を振り絞って言った一言だった。
だから聞き取りにくかった。
 
そして、全てが合致した。
 
今考えてみると、はじめからそうだった。
彼に悪気なんて一切なかった。
自分に障害があることなんて百も承知。
だからきっと、出勤の何時間も前に身だしなみを整える。
少なくとも、見た目でお客さんに失礼のないように。
大分早い時間に到着して待ってる。
遅刻して迷惑がかからないように。
 
緊張に手を震わせながらも、なんとか自分なりに間違いのないよう丁寧に仕事をこなす。
 
自戒の念。
優しくありたい。
人の憂いを分かるものでありたい。
 
健やかなるものは、形やスピートや正確さや、効率や完璧さに目が行きがち。
ただ、そうでない者はたとえギコちなくとも、彼なりに精一杯やってる。
 
人不足というのは、人としての心を鍛え直すいい機会かもしれない。
 
豊嶋浩平


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