※この話は、事実に基づくノンフィクション昔話です。
むがーしむがしあるとごろに、
お父さんと娘と息子が住んでいました。
娘のほうがお姉さん、息子の方が弟でした。
お父さんは、初めて生まれた子供なので、お姉さんにたいそう期待しました。
「しっかり勉強しなさい。そして偉くなるんだぞ〜。」
お姉さんは一生懸命勉強しました。
お父さんは言いました。
「よし頑張れよ〜!」
お姉さんは思いました。
(私、頑張ってるんだけどな〜。)
お父さんはお姉さんを塾に行かせました。
それからと言うもの、お姉さんは学校から帰っても勉強、勉強、勉強漬けです。
勉強を強制的にやらされました。
すると、ある日、お姉さんは塾に行かなくなってしまいました。
「もう勉強は嫌だ!」
それからというもの、お姉さんの方は全然勉強をしなくなりました。
反省したお父さんは、弟君に勉強しろと言いませんでした。
ただ、家にはいろいろな本がたくさんありました。
弟君はその中で、興味のあるものをよく読みました。
「不思議だな〜、どうなってるんだろ?」
「面白いな〜、もっと知りたいな〜。」
また、弟の興味のあるものがあれば、父は与えました。
「あの本がほしい」と言えば、本を買い与えました。
「ピアノ」を習っても、嫌だといえばやめさせました。
「野球がやりたい」と言えば、バットを買い与えました。
弟は「勉強」のつもりはありませんでした。
すると、どうでしょう。
逆に、弟の方が「勉強」というものを大好きになりました。
それから長い月日が経ち、お姉さんと弟は大人になりました。
お姉さんは大人になってからも勉強があいかわらず嫌いです。
弟は、ご飯を食べるお金も惜しんで、本を買います。
お父さんが勉強して欲しかった姉は、勉強が嫌いになり、
勉強しろと言わなかった弟は、勉強が好きになりましたとさ。
とっぴんぱらりのぷ~
※この話の教訓:教育は押し付け。学習は自然と。
豊嶋